実は間違い!?遺伝子検査によるAGAリスク予測の真実

こんにちはフカセです(`・ω・´)ゞ

最近はどこのAGA治療専門クリニックでも遺伝子検査を行えるようになっていますし、なんならキットを購入することでわざわざクリニックに行かなくても検査が可能であり、身近な検査になってきていると思います。

お手軽な検査なため、本格的にAGA治療をする前に遺伝子検査をする人は増えていますが、「でも実際のところそれってする意味本当にあるの?」という方も多いと思います。

値段も決して安くないため、そこはよく考えてから実施するか決めたいところです。

そしてひとつ注意してほしいことがあります。

実は世間の遺伝子検査によるAGAリスク判定法、決定的な間違いがひそんでいるんです。

遺伝子検査をするならば、ここは絶対に知ってから検査してほしいと思います!

それでは、この間違いに関する説明を含め、この「遺伝子検査」を本当にするメリットがあるのかどうか考察していきたいと思います!

結構詳しく書いたのですごく長い記事となってしまいましたが頑張っていきましょー(`・ω・´)ゞ

遺伝子検査で何がわかるか?

一般的に、AGA治療専門クリニックは遺伝子検査をすることで
「AGAになりやすい体質かどうか」や「AGA治療薬が効きやすい体質かどうか」
を判断することができる、と言っています。

AGAリスクを判定するに当たって、遺伝子検査で見ているのはアンドロゲン受容体の遺伝子です。

アンドロゲン受容体はDHTが結合することで、下流の脱毛シグナル経路を活性化するタンパク質です。

指標とされるのは、このタンパク質の遺伝子に含まれるCAGリピートとGGCリピート数の和とされています。

なので、遺伝子検査で直接データとして出てくるのはこれらリピートの数になります。

このCAG/GGCリピートについて軽く説明をしておきます。

DNAはA,T,G,Cという4種の塩基から成っており、CAGリピートとは、CAGという塩基の並びが連続していることを指します。(GGCリピートも同様)

例えば、すごく簡略化させた場合ですがDNAの配列が —ATCCAGCAGCAGCAGGGCATC—であったとします。

するとこんな感じに区切ることができます。(—ATC|CAG|CAG|CAG|CAG|GGC|ATC|—)

よって、CAGリピート数は4で、GGCリピート数は1という結果になりますね。

人のアンドロゲン受容体の場合はこのリピートが結構長く、リピート数もだいぶ個人差が出るようです。

そして、このCAGリピート数とGGCリピート数の合計が、38より小さければAGAになりやすく、38よりも大きければAGAになりにくいと判断されます。

これが一般的な遺伝子検査によるリスク判定法となっています。

が、これに関しては信憑性はかなり低いです。

本当は違うAGAリスク判定法

まず、現在用いられている判定法の根拠とみられる論文を紹介します。

Ellis, J. A., Stebbing, M. & Harrap, S. B. (2001) Polymorphism of the androgen receptor gene is associated with male pattern baldness. Journal of Investigative Dermatology 116, 452–455.

こちらの論文では、54名の若いAGA患者と392名の年配のAGA患者、そして107名の年配の薄毛ではない方をサンプルとして統計しました。

そうしたところ、CAGリピートは16~32(中央値は21)、GGCリピートは4~21(中央値は17)という結果が得られました。

また、CAGリピート数が小さいこととAGA発症率との相関はなく、GGCリピート数が小さいこととAGAとの発症率にも相関はなかったそうです。

しかし、CAGリピートとGGCリピート数の合計が小さいこととAGAの発症率には相関が見られたということです。

ちなみに、どのくらい差があったかについてですが、合計数が小さい人の割合はAGA患者の約50 %で、AGAでない人の約30 %という結果でした。

あれ・・・なんか思ったほどの差はなかった(;・∀・)笑

まあこの差については置いておいて、今回僕が一番気になったのはサンプル数が少なくて心許ないことと、患者が日本人を含むアジア系じゃないということです。

ということで他の論文も探してみました。

本当は違うAGAリスク判定法2

上の論文で主張されている内容は、サンプル数が少ないために統計的に見て不十分だ、と述べている論文がこちらです。

やっぱり他の研究者の方もそう思っていたみたいですね(;・∀・)

Zitzmann M, Nieschlag E. The CAG repeat polymorphism within the androgen receptor gene and maleness. Int J Androl. 2003 Apr;26(2):76-83

そして、CAGリピート+GGCリピート数が大事という説を覆す、もっと信憑性の高い論文が比較的最近に出ました!

それがこちらです。

F. L. Zhuo, et al., Androgen receptor gene polymorphisms and risk for androgenetic alopecia: a meta-analysis. Clin Exp Dermatol. 2012 Mar;37(2):104-11

この論文では、2074名のAGA患者と1115名の健常者がサンプルとなっています。

先ほどの論文とは見ての通り桁違いのサンプル数ですね^^

この論文では、過去に行われた複数の研究結果を統合して分析する、メタ分析が行われました。

今回は8つの研究結果を統合したため、サンプル数が多いわけですね!

そしてこの統計分析の結果、CAG+GGCリピート数とAGAの発症リスクには全然相関がないことがわかりました!!ドドンッ!!

「なんだよじゃあ遺伝子解析しても意味ねえじゃんっ!!」

となるのはまだ早いです!

実は、CAGリピート単体とAGA発症リスクには相関が見られたのです!!

ただし条件付きです!

この結果が当てはまるのは東アジア人だけです!

つまり、日本人の場合は当てはまります(`・ω・´)b

よって、遺伝子検査で本当は何を見るべきかの結論はこちらです。

日本人ならば遺伝子検査ではCAG+GGCリピート数は無視して、CAGリピート数を見るべし!

余談ですが、この論文では白人の場合はGGCリピート数が短いとAGAリスクが高いという結果が出ています。

CAGリピート数の長さは何を意味する?

なぜCAGリピート数が少ないとAGAリスクがあがるのかについて、一番有力とされている説を紹介します。

アンドロゲン受容体は、3つの主な機能領域に分かれています。

N末端領域、DNA結合領域、アンドロゲン結合領域の3つです。

この中のアンドロゲン結合領域はDHTが結合する部位です。

また、DHTが結合してアンドロゲン受容体が核内に移行した後、DNAに結合してTGF-βという分子の発現を促進させるのですが、この際に用いるのがDNA結合領域です。

ではN末端領域は何をしているのか?

実は、N末端領域はアンドロゲンの結合しやすさを調節している部位なのではないか、と考えられています。

というのも、CAGリピートが存在するのはこのN末端領域の遺伝子中だからです。

アンドロゲン受容体遺伝子のCAGリピートが長いと、N末端領域のポリグルタミン配列が長くなり、逆にCAGリピートが短いと、ポリグルタミン配列も短くなります。

そしてこのポリグルタミン配列が長い方が、DHTがアンドロゲン受容体に結合するのを邪魔するのではないか、と言われています。

逆に、ポリグルタミン配列が短いと、DHTの結合をブロックしづらいということになり、AGAリスクがあがるということになります。

フィナステリドの効き目との関係性

実はCAGリピート数と相関があるのはAGA発症リスクだけではありません

5α-リダクターゼ阻害剤であるフィナステリドの効き目とも相関があります!

そちらに関して研究したのがこちらの論文です。

Sato A, et al., Correlation between Polymorphic CAG- Repeats in the Androgen-Receptor Gene and Therapeutic Efficiency of Finasteride in Androgenetic Alopecia. Skin Surgery: 17(2); 80-86, 2008

こちらの論文ではCAGリピート数が小さい方がフィナステリドが効果的である、という結論が得られました。

CAGとフィナ効果

縦軸の効果判定グレード6は「中程度増加」に相当し、臨床上十分な治療効果と考えられるために、効果があったかどうかの基準として用いられています。

グラフを見ると一目瞭然ですが、CAGリピート数が24を超えたあたりから顕著にグレード6以上の割合が低下します。

よって、自分で遺伝子検査の結果を見る際はCAGリピート数が24以下かどうかを基準にして見るのがいいと思います。

ちなみに、この論文中のAGA患者さん(178名)は東京にあるクリニックに通っていた方なので、おそらく皆さん日本人です。よって、人種差に関しては心配しなくて大丈夫そうです。

結局、AGA治療専門のクリニックが提唱しているもうひとつの意見「AGA治療薬が効きやすい体質かどうか」についても、CAGリピート数単独との相関については信憑性がありそうです。

費用対効果

遺伝子検査は正直あまり安い検査とは言えません

この後紹介しますが、最安が12960円(税込)です。

Oh…なかなか気軽には手を出しづらい値段(´・ω・`)

正直、AGAリスクとの相関に関しては知ったところでどうしようもないと思います。

だって検査の結果リスクが低かろうが僕らは既にAGAを発症してしまっているわけですからね^^;

今さら言われなくても知ってるわい!って感じです。

ただ、もうひとつのフィナステリドの効き目との相関は違います。

こちらについては、これから長い期間AGA治療をしていく上でかなり重要なポイントです。

というのも、フィナステリドはAGAのブレーキとしての要ですから、これが効きやすいかどうかでAGA治療の戦略を変える必要があるからです。

もしフィナステリドが効きにくいのに何年も服用し続けていた場合、その費用はばかになりません

おそらくAGA検査の値段は軽く超えてしまうでしょう。

ですので長い目でみるとむしろ得する可能性があるんじゃないかと思います(o・ω・o)

CAGリピート数が26以上の方は割合としては少ないですが、無駄にフィナステリドの服用をしてしまっていた、となるのが不安だという方は受けてみるといいかもしれません。

遺伝子検査をするならどこがいい?

遺伝子検査はたいていのAGA治療専門病院であれば行うことができます。

僕が通っていた銀座総合美容クリニックでも行うことができました。

が、やはり値段が高いです^^;

銀クリですると19440円(税込)です(;・∀・)

上でも触れましたが今のところ一番安く遺伝子検査をできるのは、自分でキットを購入し専門の機関に送ってもらうAGAドックというキットです。

【AGAドック】男性型脱毛症・遺伝子検査キット

自分で遺伝子採取とかちゃんとできるか不安だわ・・・。

という方に関しては大丈夫です。めっちゃ簡単なので笑

やることは棒を口に入れ、両頬の内側をちょっと強めにこすって粘膜を採取するだけです。それを送ればCAGリピート数がわかっちゃいます。

たまに「血液検査の方が正確です」みたいな謎の主張をしているサイトとかあるんですが、どこの細胞でも同じ遺伝子もってますので関係ないです。

つまりはこの一番安い検査方法でも不足はないということです(`・ω・´)b

ただ、このキットの検査結果でもCAG+GGCリピート数での判定がされていますので、それは無視しましょう

ちゃんとCAGリピート数とGGCリピート数それぞれの数が結果として見れますので、CAGリピート数だけに注目してみるようにして下さい(`・ω・´)ゞ

まとめ

この記事では、遺伝子検査の通説に物申すことができて自分自身満足しています笑

本当になぜCAGリピート数とGGCリピート数の和での判定法を続けているのかが謎でしかありません^^;

ネットを見ていると、これらの和で判定しているために、AGAリスクは低いはずなのに現実にはAGAになっているという方が多い気がします。

そういった方もCAGリピート数だけに着目すると、やっぱり短めだったりするんですよね(;・∀・)

それでは結構長い記事となったので、最後にポイントをまとめておきます。

 遺伝子検査でわかること
 AGA発症リスク
 フィナステリドの効きやすさ

 判定法
 CAGリピート数が24以下→AGA発症リスクは高く、フィナステリドが効きやすい
 CAGリピート数が25以上→AGA発症リスクは低く、フィナステリドが効きにくい

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