Q&A「フィナステリドとミノキシジルはM字に効果がない?」

こんにちはフカセでございます(`・ω・´)ゞ

 

M谷さんから以下のようなご質問を頂きました!


こんにちは、薄毛に悩む大学生です。
私は名前の通り前髪が左右から後退しM字になりつつありとても危機感を覚えています。
薄毛を克服したい一心で育毛剤を調べてみたもののどれも同じようなことが書いてあり、どれを選べばいいか途方に暮れていたところ、このサイトに出会うことができました。
フカセさんの知識に裏付けられた詳しい解説にはいつも希望と勇気いただいております。
この度ようやくではありますが当サイトでお勧めされている医薬品を試そうと決心致しました。しかし金銭的に余裕がないためフカセさんの最強育毛ストラテジーにある、フィナロとミノタブとプレミアムリジンプラスをまずは試そうと思っていた矢先、他のサイトでミノタブやフィナロはM字には効果がないとの書き込みを見かけました。自分ではそれが本当なのかどうなのかが判断できず途方に暮れています。
本当にM字にはミノタブやフィナロは効果がないのでしょうか。またミノタブやフィナロ以外にM字に効果的な別の治療法があるのでしょうか。
お忙しい中申し訳ありませんが御回答が頂けると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
追伸:頭頂部はそれほどハゲてきてはおりません。

M谷さんご質問ありがとうございます!

 

M字の薄毛がなかなか改善しないという話はよく耳にします。

実際、フィナステリドとミノキシジルを使ったのに満足いくように改善しないという人もいるようで、頭頂部より手強い印象はあります。

 

では、AGAに効くとされているフィナロ(フィナステリド)やミノタブはあまり前頭部に効果的でないのか?

ということで、臨床試験の結果を見つつこの点を考察していきたいと思います!

 

それではいってみましょー(`・ω・´)ゞ

フィナステリドはM字に効果があるか?(原理編)

まず、原理的に考えてフィナステリドがM字に効果があるかを考えてみます。

 

このブログでも幾度となく取り上げてきましたが

フィナステリドは5α-リダクターゼのⅡ型という酵素を阻害して、テストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることを抑制します。

DHTがAGAを引き起こす主犯であると考えられているため、これによりAGAの治療も可能と考えられます。

 

そして、この5α-リダクターゼのⅡ型というのは前頭部と頭頂部に多く存在しています。

そんなわけでAGAを発症する場合はこの2つの部位が特に薄くなります。

人によって、薄毛の始まりは頭頂部、前頭部のどちらかであっても

最終的には5αリダクターゼ2型の多い両方の部位が薄くなる人が多いです。

 

メカニズム面と照らし合わせて考えてみると、5αリダクターゼ2型は前頭部頭頂部の両方にあるわけなので、

フィナステリドは頭頂部だけでなく前頭部でも5α-リダクターゼ2型を阻害することでAGA治療に効果があると予想されます。

フィナステリドはM字に効果があるか?(臨床編)

フィナステリドは原理上はM字にも効果があると考えられたわけですが、

薬というものは実際に人に投与してみると原理通りにはいかないことも多いです。

 

そんなわけで、実際にフィナステリドを人に投与した臨床試験の結果を探してみました。

特に今回は前頭部の薄毛がどうなっているか、ということについてコメントのあるものを探してきました。

そして見つけたのが、結構古いですがこちらの論文です。

Leyden J, et al., J Am Acad Dermatol. 1999 Jun;40(6 Pt 1):930-7.

被験者: 前頭部が薄毛の男性
処方: フィナステリドを毎日1 mg服用
評価法: 二重盲検試験を採用し、1年間は本物のフィナステリドを服用したグループと、偽薬を服用したグループで前頭部の毛髪数の比較を行なった。その1年後、偽薬を飲んでいたグループにも本物のフィナステリドを服用してもらい、再度毛髪数の評価を行なった。

 

この臨床試験の結果の一つが以下の図(論文中Fig. 1)のようになります。

▲がはじめからフィナステリドを服用したグループで

○ははじめは偽薬を服用し、1年経過後からフィナステリドを服用したグループのデータです。

また、横軸が試験開始からの経過時間を表しており、

縦軸が試験開始時の毛髪量から、何本増減があったかを表しています。

(実際に毛髪量の測定を行っているのは前頭部全てではなく、予め決めておいた1平方センチメートルの範囲内なので、増減数は多くて10本くらいとなっています。)

 

12ヶ月目までは明らかにフィナステリドを服用しているグループの増加本数が多いですね。

また、1年が経ってから本物のフィナステリドを服用することで、はじめ偽薬だったグループの人たちの毛髪数も増加していっていることがわかります。

 

以上より、フィナステリドは実際に前頭部にも効果があったと言えます。

ミノキシジルはM字に効果があるか?(原理編)

続いてミノキシジルについて原理面から考えてみます。

と言ってもミノキシジルの作用機序は実は完全には明らかになっていません。

こちらの記事(ミノキシジルの効果と副作用~作用メカニズムを徹底考察~)でも複数の説があるということを述べました。

 

その中でも有力な説としては、例えば

毛乳頭細胞におけるVEGFという成長因子の発現量が向上する

といったものや

カリウムチャネルというカリウムイオンを通す穴をもった蛋白質の穴を開かせる

といった説があります。

 

一つ目の説が正しかったとすると、毛乳頭細胞は前頭部にも頭頂部にもあるわけなので細胞が死んでいない限りは前頭部にも効果があるはずです。

 

二つ目の説が正しかった場合は、効果はカリウムチャネルの発現量に依存します。

例えばカリウムチャネルの発現量が前頭部より頭頂部で多い場合、頭頂部よりも前頭部では効果が出づらくなる可能性があります。

ただ、カリウムチャネルはほとんどの細胞に存在していますので、部位によって発現量の差はあまりないと予想されます。

 

そんなこんなで原理面では結論がふわふわしてしまったので、実際にミノキシジルを使用した臨床試験の結果を見てみましょう(;・∀・)

ミノキシジルはM字に効果があるか?(臨床編)

残念ながらミノタブの薄毛治療を目的とした臨床試験は行われていないので

外用タイプのミノキシジルを使用した臨床試験のデータを参考にいたします。

P. Mirmirani, et al., BJD (2015) 172, pp1555-1561

こちらの論文では、外用ミノキシジルの前頭部と頭頂部への効き具合に差があるかを調べています。

 

被験者: 薄毛の男性(ハミルトン・ノーウッドのタイプⅣorV相当)
処方: 5 %ミノキシジルの外用液を一日に二度頭皮に塗布する
評価法: 二重盲検試験を採用し、8週間の期間で毛髪量の評価を行った。また、ミノキシジルを塗布した際の、遺伝子発現に差があるかを前頭部と頭頂部で比較した。

 

この臨床試験では毛髪量の評価のところが結構アバウトで、増加したか増加していないかの二者択一で判断したようです^^;

これだけだとちょっと信頼性が微妙ですが

このアバウトな評価の後に遺伝子発現量に差があるかを見ており、そこで有意差は見られなかったようです。

そしてその結果、

ミノキシジルは前頭部にも効果があるという結論となりました。

 

ただ、この臨床試験の被験者は16人と小規模でした。

なので遺伝子発現量を見ているといえど、もう少し大規模な臨床試験をしてみないと、効き具合の微妙な差などもっと詳細なことはハッキリ言えないという状況です。。。

 

この論文は2015年にリリースされていて比較的新しいのですが、それでもこの状況ということで、

ミノキシジルの前頭部と頭頂部への効き具合の差を詳しく知ることができるとしても大分先のことになりそうです(´・ω・`)

どうしても信頼できるデータを得るには長期間の試験が必要なので、気長に待つ必要がありそうです。

その他に前頭部の薄毛治療に効果が期待できるものは?

以上、既存のAGA治療薬は前頭部にも効くという臨床試験の結果が出ているわけですが

ネット上の口コミを見ているとM字には効かなかったという人もやはり多いですね。。。

そういった方は、治療薬以外に何かいいものはないか?と気になりますよね。

 

ただ、現状僕が提案できるのは頭頂部の治療で効果的なものと同じものです。

 

というのも、

前頭部&頭頂部と、それ以外の部位との違いは明らかとなっている一方で

前頭部と頭頂部で薄毛になるメカニズムの違いがあるのかが分子レベルでわかっていないためです。

ガッカリされた方も多いかもしれませんが、これまでに研究されてきた内容ではそうとしか言えないです。

 

ただ、分子レベルでのメカニズムがわからないなりにどうすればよいかという話になると工夫できる点はあります。

フィナステリドとミノキシジルで十分な効果が得られていないと感じるのであれば、

それらとは異なる作用機序をもつ成分を含有する育毛剤を試してみる

ということです。

 

ですので、本ブログで何度も取り上げていますが

キャピキシルやリデンシル、成長因子を含むDeeper3Dであったり、

レーザーによって発毛促進をするヘアマックスは、フィナステリドやミノキシジルとは異なる作用機序であるため希望が残されているということになります。

まとめ

まとめますと、

原理面、臨床試験の結果より、
フィナロ(フィナステリド)やミノタブはM字ハゲにも有効である
と言えると思います。

 

そして、これらで思うように効果が出ていないと感じるのであれば

異なる作用機序をもつ育毛剤・機器を試してみるのが現状の最善手と考えられます。

 

以上になります(`・ω・´)ゞ

M谷さん改めてご質問ありがとうございました!

2件のコメント

  • ミノキシ汁

    いつも詳しい説明ありがとうございます。
    ミノフィナ M字は永遠のテーマみたいですね。他サイトをみても半々に別れたりしてますし。
    ちなみに私としては「血管が少ない、細いから栄養を持っていきにくく、治りにくい」説が有力かなと思っています。わたしも初期のM字ですが、維持すらできてないので、治りにくい+体質が影響してそれが頭頂部よりはっきりあらわれてしまうのだと思います。

    • フカセ

      ミノキシ汁さん

      いつもコメントありがとうございます^^

      血管説も確かに有り得ますね。
      ただ、ネットで頭皮の毛細血管のモデル図などを見ていると頭頂部と大して変わらないか、むしろ頭頂部のほうが血管が少ないようなものが多いので、事態はもっと複雑な気がします^^;
      もし血管密度に個人差が大きいのであればこの血管説も有力になってきそうですね。

      貴重なご意見ありがとうございました(`・ω・´)ゞ

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