プラズマクラスターの育毛効果と頭皮環境改善効果は本当か?

こんにちはフカセでございます(`・ω・´)ゞ

先月シャープから「プラズマクラスター技術での頭皮のバリア機能向上(頭皮環境改善)による育毛効果を実証」というニュースが発表されました。

正直、ひと目見て「これは怪しいぞ!」

と思っちゃいました。

 

育毛効果に限らずシャープが主張しているプラズマクラスターの効果にはもともと少し疑問もありましたし・・・

いい機会なのでもうちょっと調べてみることにしました。

なお、この記事における実験内容や写真、データはこちら(http://www.sharp.co.jp/corporate/news/161013-a.html)から引用しました。

プラズマクラスターとは?

そもそもの話としてプラズマクラスターってどんなものでしょうか。

恐らく多くの人は名前は知っているし、どこかで一度は使ったことがあったりするのではないでしょうか?

結構ホテルに設置してあったりしますしね。

 

調べた感じプラズマクラスターはプラズマクラスターイオンを発生させる装置、の総称のようですね。

また、プラズマクラスターイオンとは下図のようなしくみで発生させることができるもので、水素イオンあるいは酸素分子イオンが水分子で取り囲まれたクラスター状のイオンのことを指すと説明されています。

プラズマクラスター原理

さて、そんなプラズマクラスターイオンに育毛効果があるというのが今回のシャープさんの発表になります。

プラズマクラスターイオン照射での影響を見るための臨床試験を2種類行っていましたので順に内容を見ていきましょう。

臨床試験の内容(育毛効果編)

試験機関1: 株式会社ナショナルトラスト
試験機関2: HARG治療センター 新宿桜花クリニック
被験者: 育毛メソセラピーをうけている20~70歳代の男女115名
期間: 約3ヶ月
方法: 左右2ヶ所で直径2 cmの円状に髪を剃り、臨床試験専用のイオン発生装置を用いて右側の円の部分に約20分間イオンを照射する。一ヶ月に1回育毛メソセラピーを行い、毛髪本数を数えた。

ちなみにここでのイオン濃度は約150万個/cm3とのことです。

・・・と言われてもこれが一般にイオン濃度としては濃いのか薄いのかピンときませんよね笑

現在売られているプラズマクラスターの中では25000個/cm3が最高濃度のようですので、臨床試験で用いられている装置のイオン濃度はかなり高いようです。

プラズマクラスターfig1

写真1は直径2cmの試験部位を撮影しているところのようですね。

撮影した部位の毛髪数を数えていき、イオン照射ありなしでの増毛量を比較しました。

臨床試験の結果(育毛効果編)

結果は下の表のようになりました。

プラズマクラスターtable1

イオンを当てずに自然放置した左側に対して、イオンを当てた右側では増毛本数が約2.5倍という結果となりました。
また、この左右の差はp値が5 %未満と、統計学的に有意な差であると確認された、とのことです。

試験結果例①の方はなんだか毛並みが変わっているような気がするんですが本当に同じ人or同じ部位なんでしょうか・・・?

毛の生える向きが3ヶ月で変わるとは思えないのですが・・・。まあこのデータからはなんとも言えないので置いておきますが^^;

まあなんにせよ、毛髪量に関してはイオンを照射した部位の方がより多く増えたという結果となりました。

怪しいポイント(育毛効果編)

まず、怪しいというか単なるツッコミなのですが。

この臨床試験、育毛効果ではなく発毛効果を検証したの間違いですよね笑

評価基準は毛髪の数であるので、発毛効果の有無を評価をしたというのが正しいはずです。

育毛という表現は毛髪の数というより、毛髪の成長度合いや太さに関するものなのでそこにまず違和感を感じました。

 

まあその点はさておき、一番この臨床試験で怪しいポイントは

育毛メソセラピーをうけている患者が被験者となっていることです!

 

育毛メソセラピーは成長因子を頭皮に導入する効果の高い治療法です。

そんな効果の高い治療を行っている患者を被験者にする、つまりもとから治療により発毛するであろう人を被験者にすることは果たして適切だと言えるでしょうか?

当然ですが、他の治療を行っていない被験者を使わなければイオン照射そのものの発毛効果はわからないはずです。

 

また、この試験は右側に対してイオンを照射しているとわかった状態での試験です。

本来、信憑性を高めたいのであればこのような試験はプラシーボ効果や観察者のバイアスの影響を除くために、右側と左側のどちらにイオンを照射したのか被験者も観察者も知らない状態で行わなければなりません。

いわゆる二重盲検試験というやつです。

 

この点を鑑みても、単なるイオン照射以外の要素が結果に影響した可能性がぬぐえません。

オブラートに包まずに言うと、右側の方をちょっとだけ多くなるような数え方をしたんじゃないの?ということです。

何か毛髪数測定用の機械を用いたのなら別ですが、このような毛髪数を数えた結果は少なからず観察者次第で前後すると思います。

上の写真を見て思うんですが結構これは一本なのか二本なのか重なっていてわからない、っていうものも多いですし・・・。

この毛髪数をどう数えたか、という点もグレーな部分だと思います。

 

もちろん、このあたりをちゃんとしていて今回の結果が出たのならばプラズマクラスターはミノキシジルにも匹敵するような発毛効果があるということになります。

是非とももう少し厳密な試験を行なってみてほしいものです(´・ω・`)(あまり期待はしてないですが)

臨床試験の内容(頭皮環境改善編)

続いて、もう一つの臨床試験について見てみましょう。

こちらは発毛効果ではなく頭皮環境に関する試験です。

試験機関: 株式会社総合医科学研究所
被験者: 健康な40~63歳の女性59名
期間: 約3ヶ月
方法: 被験者・評価者が共にイオンの有り無しを知らされずに試験を行う二重盲検法を用いる。イオン照射ありのグループ29名とイオンの含まれない風を当てたグループ30名に分けた。12週間に渡り毎日5分間装置を用い、頭皮水分蒸散量、頭皮油分量、頭皮マラセチア菌数、VAS評価(主観評価)を行なった。

プラズマクラスターfig2

ここでは写真2のように普通のドライヤー風のものを使っているようですね。

なお、イオン濃度は約330万個/cm3と、育毛効果試験時よりも濃いもののようです。

臨床試験の結果(頭皮環境改善編)

その結果、下図のように「頭皮水分蒸散量」「頭皮油分量」の抑制効果が見られました。

プラズマクラスターgraph

図の左側は、1時間当たりの1平方メートル当たりの水分蒸発量(グラム)を表しています。

イオン照射ありの方は縦軸がマイナスなので、何もしなかった時より蒸発した水分量が少ないということみたいですね。

 

そして右側は1平方センチメートル当たりの頭皮油分量(マイクログラム)を表しています。

水分蒸発量のときと地味に単位が違いますね。

こちらは、イオン有り無しにかかわらず油分量は減っていて、その減った量がイオン有りの場合の方が3倍ほど多いという結果です。

 

ちなみに、脂漏性脱毛症の原因ともなるマラセチア菌の数も抑制されたとのことですが、こちらに関してはデータが掲載されていなかったのでなんとも言えません。

また、VAS評価(主観評価)では、抜け毛やフケ、かゆみなどの評価項目に対し、良好な傾向が確認されたとのことです。(こちらについてはp値が5 %未満ではなく、20 %未満ということで統計学的には「そのような傾向はある」、ぐらいの評価となっています。)

怪しいポイント(頭皮環境改善編)

頭皮環境改善に関するもので、怪しいというか根本的な疑問があります。

それは、「頭皮水分蒸発量」や「頭皮油分量」の抑制イコール頭皮環境の改善と捉えていいのかどうかということです。

 

また、「頭皮が潤っている」→「頭皮環境が良い」と考えたにしろそれを何故「蒸発量」を指標にして測ったのかがよくわかりません。

頭皮の潤い度合いを知りたいなら頭皮の水分量を直接調べなければわからないはずです。

(補足)頭皮が潤っているということは捉え方を変えると蒸発することのできる水分量が多いということで、蒸発水分量は多くなる可能性があります。逆に、蒸発水分量が少ないということは、実はそれだけ頭皮が乾燥していたからという可能性もあります。このような可能性があるので、やはり頭皮の水分量を直接調べるべきだと考えます。

 

加えて、この測定をどのタイミングで行なったのかがイマイチ情報不足でわかりません。

ドライヤーを当てた直後なのか?それとももう少し時間を空けてからなのか?

もし直後に測定したものなら、頭皮環境改善は単に一時的なものでしかない可能性が高いということになります。

原理上の疑問点

最後にひとつ、非常に疑問に思うポイントがあるのでそこにツッコミを入れておきます。

 

プラズマクラスター技術により作られたプラスイオンとマイナスイオンは、浮遊する細菌・カビ・ウイルス・アレルゲンなどの表面において酸化力の高いOHラジカルとなり、化学反応によりたんぱく質を分解して細菌などの働きを抑制する

といったような機能がもともと主張されてきました。

プラズマ ラジカル

(画像はhttp://www.sharp.co.jp/business/print/newmodel/option/pci/より)

 

一方で、人の皮膚表面では何故かOHラジカルの生成の話はどこかに消えて、水分子コートが作られると主張されているんですよ。

水分子コート

なぜどちらも同じプラスイオンとマイナスイオンがあるのに結果が違うんでしょうか?

これまで主張していた機能が正しいのであれば、頭皮に当てた時にも酸化力の高いOHラジカルとなるはずではないでしょうか?

 

なぜ頭皮上では都合よくプラスイオンとマイナスイオンのクラスターのままで保持できていると主張できるのか、甚だ疑問です。

まとめ

結局のところ今回の臨床試験結果に関しては信頼性が足りない、というのが本音です。

なんというか経営の苦しいシャープさんがはじめから発毛効果アリという結果ありきで臨床試験を行ったのではないか・・・?みたいな気もしちゃってます。

これについてはシャープさんの誠実さを願うばかりですが・・・(´・ω・`)

 

また、今回使われたイオン照射装置は特別なもののようで市販のものだとここまで高濃度のイオンが出るかは微妙なところかと思います。

 

結局、現状のデータだとあまり発毛効果に関しては信用できませんが、今後また追加で臨床試験が行われて有効性が証明される可能性もないとは言い切れないのでこれからも注目しておきたいとおもいます(`・ω・´)ゞ

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