こんにちはフカセでございます(`・ω・´)ゞ
研究室に入ってからというもの夏休みが消えてしまったので悲しい限りです。。
もう慣れましたが笑
でも特に今年は全く夏らしいこと、海行ったり花火見たりバーベキューしたりみたいなことを何一つできていないので、facebookなんかで周りの友達が夏をエンジョイしてるのを見るとちょっとしたむなしさがあります^^;
さて、気を取り直して・・・!
今回は美容の分野でおなじみのコラーゲンについてお話ししたいと思います。
その中でもこの記事では育毛に重要であるとわかった17型コラーゲンにピンポイントで焦点を当てます。
また、具体的な対策に使えそうな育毛剤も出ているのでそちらについても最後に紹介いたします!
それではいってみましょー!
目次
そもそもコラーゲンとは
まずそもそもとしてコラーゲンとは何なのでしょうか?
知名度はかなりのものですがその実体を知っている方は少ないのではと思います。
コラーゲンはある特徴をもったタンパク質の総称です。
どのような特徴をもっているかというと、タンパク質はアミノ酸が連なってできているわけですが、そのアミノ酸の並びが特徴的です。
具体的には、グリシンーアミノ酸A-アミノ酸Bというような3アミノ酸をひとつの単位とした繰り返し配列を持っています。
ちなみにアミノ酸AやBにはプロリンというアミノ酸が使われることが多いです。
このような規則的な繰り返し配列をもった結果、コラーゲン分子は三重らせん構造をとります。
この三重らせんが何本もより集まって様々な太さの繊維を形成することで、体の皮膚組織や骨を支える屋台骨としての役割を担っています。
このように、コラーゲンは様々な組織に力学的な強度を与える役割があるので、コラーゲンが少なくなると肌の弾力がなくなってしまうと考えられており、美容の分野でも重視されているというわけですね!
17型コラーゲンの役割
そしてこの記事での主役はコラーゲンの中でも17型コラーゲンです!
なぜこの17型に焦点を当てるかというと、東京医科歯科大学の西村栄美教授らのグループが、17型コラーゲンが育毛において重要であると発見したからです。
この成果はNHKニュースでも取り上げられています。
動画を見て頂いてもわかりますが、歳をとると共にマウスの体毛が薄くなることに着目しそのメカニズムを研究した結果、体毛を作り出す毛包幹細胞の生命維持に必要な17型コラーゲンが分解されてしまい細胞が死んでしまうということがわかりました。
また、17型コラーゲンが減らないようなマウスの遺伝子組み替えを行ったところ、体毛の減少が抑えられたということで、17型コラーゲンの分解が薄毛の原因となることが確実となりました。
それではこの17型コラーゲンはどのようにして分解していくのでしょうか?
老化による17型コラーゲンの分解
ここからは科学界の超名門誌Scienceに2016年に載った最新の論文をもとに17型コラーゲンが分解していくメカニズムを軽く説明したいと思います(`・ω・´)ゞ
参考にしたのはこの論文です。
Matsumura H, et al., Hair follicle aging is driven by transepidermal elimination of stem cells via COL17A1 proteolysis. Science. 2016 Feb 5;351(6273)
この論文では、歳をとってDNAがダメージを受けていった結果、ELANEという17型コラーゲンを分解する酵素が過剰に発現するということが示されています。
そして17型コラーゲンが分解されてしまうことにより毛髪もミニチュア化し、薄毛となってしまうという流れです。
このELANEの発現と17型コラーゲンの分解を視覚的に観察した実験を紹介します。
生後8週間、12ヶ月、18ヶ月、27ヶ月のマウスの体毛について蛍光を用いた観察を行いました。
ちなみにマウスの寿命を考えると、生後8週間が若齢マウス、12ヶ月が中齢のマウス、18ヶ月と27ヶ月は老齢のマウスということになります。
(上記の論文のFig.4Aより引用)
ちょっと専門的になってしまいますが、ここではマウスの体毛に対して、ELANEや17型コラーゲンに結合する蛍光分子付きの抗体をふりかけることで、それらを別々の色に染めることができています。
ここではDAP1は無視しちゃってください笑
上の写真を見ると、生後8週間(8 wo)や12ヶ月(12 mo)では赤色の蛍光が見えないのでELANEは発現しておらず、緑色の蛍光が下の丸っこいところまであることから17型コラーゲンがちゃんとあることがわかります。
一方、生後18ヶ月後(18 mo)や27ヶ月後(27 mo)のマウスでは、赤色の蛍光が見えるようになり、代わりに緑色の蛍光が減少していることがわかります。
この実験結果より、老齢のマウスではELANEという酵素が発現し17型コラーゲンが分解されているということが示されました。
そしてこのメカニズムはマウスと同じ哺乳類であるヒトにも当てはまるということです。
17型コラーゲンを維持するには?
さて、17型コラーゲンが加齢とともに分解されていってしまい、毛髪のミニチュア化が起こるというメカニズムが明らかとなりましたが、これに対抗する術はないのでしょうか?
近年美容に気を使っている人がしているようにコラーゲン玉を鍋に入れてみたりだとか食事からコラーゲンを摂取すればよいのか?
残念ながら答えはNOです。
食事で17型コラーゲンを維持することはできません。
というかそもそも17型以外のコラーゲンについても同じで、食事で摂取したからといって補えるかというと非常に疑問なところです。
というのも経口摂取したコラーゲンは一度アミノ酸やペプチドレベルの大きさにまで分解されてから吸収されますので、それらアミノ酸やペプチドが再度コラーゲンの構成要素として使われるかはわからないからです。
コラーゲンを外から取り入れても意味がないならどうすればいいのか?
その解決法として考えられるのが
外から取り入れるのがダメなら内側でコラーゲンを作ってしまえ!
ということです。
じゃあどうすれば体の中でコラーゲンの合成を促進できるか、という疑問点が生まれます。
そこで登場するのがご存じビタミンCです。
コラーゲン合成の鍵はビタミンC
ビタミンCはコラーゲンとの関わりがひっっっじょーに深い成分です!!
ビタミンCはコラーゲン分子の合成に必要なので、ビタミンCが欠如した食事をしていると壊血病という病気になってしまうくらいです。
そんなわけで、毛包幹細胞にビタミンCを送り届けてやれば少なからず17型コラーゲンの合成を促進できるだろう、ということになります。
なるほど、じゃあビタミンCが豊富な食事をしよう!
と思っちゃいそうですが、実はここでひとつ問題があります。
それは、頭皮の狙った薄毛の部分に届くビタミンCは摂取量の1 %にも満たないということです。
なぜならビタミンCは人気者で、体の他の様々な部位で利用されてしまうからです。
じゃあどうやったら頭皮の毛包幹細胞にまでビタミンCを届けられるのでしょうか?
頭皮にビタミンCを直接届ける育毛剤
この問題を解決するために登場した育毛剤があります。
それがビタブリッドCヘアートニックセットです。
こちらは、経口摂取で届かないなら頭皮に直接かけてやれ!というなんとも単純な発想でできあがった育毛剤です笑
でも侮るなかれ。
この単純な発想を実現するのは結構難しいんです!!
というのも頭皮はそんななんでもかんでも簡単に吸収するようにはできていません!
ですので、ビタミンCを頭皮から浸透させるのには高度な技術が必要です。
そしてその高度な技術を用いて作られたのがこのビタブリッドCなんですね!
ビタブリッドCに用いられている技術は化学界の名門誌であるAngewandte Chemieにも掲載された他、科学雑誌最高峰のNatureのハイライトでも取り上げられたということで、非常に注目度の高い技術です。
Jin-Ho Choy, et al., Inorganic Layered Double Hydroxides as Nonviral Vectors. Angew. Chem. Int. Ed. 2000, 39, No. 22
ちょっと長くなりすぎてしまうのでこのメカニズムについては別記事にしようかと思いますが、ビタブリッドCの効果はなかなか期待できそうです。
ちなみにこのビタブリッドCヘアーのアンバサダーに宮崎県知事として一世を風靡した東国原英夫さんが就任しているのですが、彼のtwitterを見てみるとそれなりに薄毛が改善していました。
ただ、これについては写真に明暗の差があるのが気になりますね・・・^^;
また、多少改善されているとしても、10ヶ月使用してこの程度ということなので他の育毛剤を使用した方が効果が見込めるでしょう。
なので、期待させてしまって申し訳ないのですが
原理上はビタミンCを直接頭皮から入れることは育毛に効果がありそうなものの、実用面ではビタブリッドCは他の育毛剤に劣ってしまうだろうということになります。
「えービタブリッドC結局効果なさそうなのかよー。じゃあどの育毛剤が効果的なんだよ。」
という方に一応僕の推し育毛剤を紹介しておきます。
僕の推し育毛剤はDeeper3Dという育毛剤で、治療体験記の記事にも書きましたがちゃんと効果があらわれました。
コチラでは実際にDeeper3Dを使用した際の感想なども書いているので合わせてどうぞ(`・ω・´)ゞ