脂漏性脱毛症に効果的!ケトコナゾール(ニゾラール)の作用機序を解説!

こんにちはフカセでございます!

この記事では脂漏性皮膚炎および脂漏性脱毛症の治療に用いられる成分である

ケトコナゾール: Ketoconazole(商品名ニゾラール: Nizoral)の効果について、無駄に詳しく作用機序まで掘り下げて解説しちゃいます!

 

ぶっちゃけかなり専門的な部分も多いのであんまり興味のない部分は飛ばし読みでもいいと思います笑

それでは早速いってみましょー!

脂漏性皮膚炎とは

詰まった毛穴

(↑脂が詰まった毛穴の写真)

以前にも「頭皮の脂はハゲ(AGA)の原因になるのか?〜脂漏性脱毛症って?〜」という記事で軽くは説明したのですが、ここでももう一度。

脂漏性脱毛症とは、脂漏性皮膚炎に伴って起こる脱毛症のことです。

この脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌が盛んなところで発症しやすいという特徴をもっており、マラセチアという頭皮に常在する脂が大好きなカビが関わって起こります。

 

このマラセチアの代謝物の中に肌に炎症を起こす物質が含まれているようで、マラセチアが脂の多い環境下で異常増殖してしまうと目に見える形で肌に炎症があらわれます。

この脂漏性皮膚炎が悪化してしまうと患部の脱毛が起こり、それを脂漏性脱毛症と呼びます。

 

AGAの原因となるジヒドロテストステロン(DHT)は頭皮の脂の分泌も盛んにするため、AGAと脂漏性脱毛症は併発しやすい脱毛症になります。

ですので、頭皮の過剰な脂は取り除く必要があるのですが、逆にシャンプーをしすぎてしまって脂を取り過ぎてしまうと逆効果になってしまう可能性があります。

というのも、脂が頻繁に除去されすぎると、ヒトの身体はその足りない脂を補おうとして今までよりもさらに多くの脂を分泌させようとするからです。

 

それならどうやって脂漏性脱毛症を治せばいいんだ!?

となりますが、頭皮の脂ではなくマラセチアの方をターゲットにすると意外とあっさりと治ります。

ケトコナゾールとは?

マラセチア等の真菌をターゲットとした薬のひとつがケトコナゾール(Ketoconazole)です。

ケトコナゾールはマラセチアを駆除する効果をもち、脂漏性皮膚炎、ひいては脂漏性脱毛症も治療が可能です。

ケトコナゾール

ケトコナゾールは具体的には、上のような構造をした化合物です。

 

イミダゾール環やトリアゾール環をもつことが特徴であるアゾール系真菌薬の一種で、イミダゾール誘導体の抗真菌活性についてのスクリーニングによって開発されました。

ケトコナゾールは第一世代のアゾール系抗真菌薬であり、その後もフルコナゾールやイトラコナゾールといった第二世代、ボリコナゾールやポサコナゾールといった第三世代のアゾール系抗真菌薬が開発されています。

 

アゾール系薬は安全性が高いため真菌症に対して広く用いられてきたという歴史があります。

それでは次にケトコナゾールがターゲットとしている分子についてお話しします。

ケトコナゾールの標的分子

真菌を殺す薬を作るに当たってはヒトと真菌の違いを見つけることが必要です。

というのも、ヒトと真菌で共通のものを薬のターゲットにしてしまうとヒトにも悪影響を及ぼす、つまりは副作用が出てしまう恐れがあるからです。

 

ヒトと真菌で異なる点としては、1つには細胞膜の組成があります。

ヒトではコレステロールが主成分であるのに対し、真菌ではエルゴステロールが主です。

それならば、エルゴステロール合成を阻害する化合物を見つければヒトには影響のない真菌選択的な薬になるのでは・・・?と考えられました。

 

そこで目をつけられたターゲットが14αデメチラーゼという酵素です。

この酵素はエルゴステロールを生合成するのに必要な酵素なので、これを阻害できれば真菌はエルゴステロールを合成できなくなり、死にいたることが期待されるというわけですね!

 

ここから余談ですが、エルゴステロールが主であるのは真菌特有なのですが、実は14αデメチラーゼはヒトのコレステロールの生合成経路でも働く酵素です。

つまりこのターゲットは真菌だけでなくヒトにも存在しているわけですね^^;

あれ、じゃあやっぱりヒトにも悪影響が出るんじゃ・・・?

となりますが、そこは問題ありません。

 

実は、この14αデメチラーゼについてはヒトと真菌では相同性が約28 %と低く、同じ名前の酵素だけども形が異なるのです!

よって、この違いを利用して真菌の酵素にだけ特異的に阻害能をもつ化合物が選び出されて薬となっています!

ケトコナゾールの作用機序

そんなわけで、ケトコナゾールは14αデメチラーゼを阻害して効果を発揮します

ここからは更に細かい話になるのでスルーでも構わないです^^;笑

 

14αデメチラーゼはチトクロームP450(CYP450)ファミリーに属する膜酵素で、活性部位にはヘム色素があります。

ちなみにヘム色素には鉄原子が含まれています。

 

この活性部位で、酸素とNADPHを使用して、エルゴステロールの前駆体である種々の基質を水酸化します。(水酸化によってステロール骨格の14α位置のメチル基を除去)

原子レベルで見ると、ケトコナゾールはアゾール系薬の基本構造であるイミダゾール環およびトリアゾール環の窒素原子の孤立電子対が酵素活性部位のヘム鉄に配位することによって酵素活性を阻害しています。

平たく言うと、

酵素が働くのに必要な鉄原子をケトコナゾールが横取りしちゃうイメージです。

 

14αデメチラーぜの酵素活性が阻害されるとエルゴステロールが減少し、さらには真菌の膜組成が変化します。

その結果、膜透過性の変化や栄養素の輸送などの不具合、膜酵素の不活性化などが起こり、最終的にはアポトーシス(細胞の自殺)を起こします

 

このようなメカニズムでマラセチアを駆除できれば脂漏性皮膚炎ともおさらば!となります^^

ケトコナゾール入りシャンプー

以上説明してきましたケトコナゾールは主に皮膚外部からの塗布で用います。

そのためケトコナゾールを有効成分として含むシャンプーが多数開発されており、脂漏性皮膚炎・脱毛症の治療に利用されています

ちなみにペットの皮膚炎にも有効で、よく使われているようですね。

 

歴史が古くて有名なものはニナゾルシャンプーです。

しかしこちらには欠点があります。

それは、主に以下の2点です。

 においがキツイ
 保湿成分がないため洗った後に頭皮が乾燥してしまう

効果としては問題ないのですが、使用感の面で日常的に使用したいとは思えないのでコチラはあまりおすすめはしないです。

 

一方これらの欠点を克服したのがドクターゼロのケトコロストシャンプーです!

ケトコロストシャンプー&リンス

こちらはリンク先のレビューを見てもらってもわかりますが上で紹介したニゾラールシャンプーから乗り換えたという人も多く

 においが気にならない
 コロストラムという保湿成分により使用後の乾燥も防げる

などと、使用感が大幅に改善されています。

 

また、この記事では脂漏性脱毛症をメインに書いていたので触れていませんでしたが実はケトコナゾールには抗男性ホルモン作用もあり、AGAによる薄毛の進行のブロックにも一役買います

AGA治療あるいは脂漏性脱毛症治療に有効なシャンプーを探している方は是非お試しあれ(`・ω・´)ゞ

 

参考文献: 薬効力 (NPO法人 システム薬学研究機構)

コメントを残す