こんにちはフカセです(`・ω・´)ゞ
今回は昨日(7月12日)に発表されたばかりのニュースについて面白いなと思ったので記事を書いてみました。
最新の研究を知るきっかけとなればと思います(・∀・)!
(http://www.kyocera.co.jp/news/2016/0703_kogi.htmlを参考とし、画像はここより引用。)
共同研究テーマ概要
2016年7月12日。
理化学研究所 多細胞システム形成研究センター(理研CDB)の辻孝チームリーダー率いる器官誘導研究チームが、京セラとベンチャー企業であるオーガンテクノロジーズと協働で毛髪再生技術の開発に臨むことが発表されました。
正式には「毛包器官再生による脱毛症の治療」というテーマ名での共同研究です。
(「毛包」とは、毛髪を生む器官のことです。)
もともとこのテーマのきっかけとなる技術は理研の辻孝さんの研究グループが開発したもので、理研とオーガンテクノロジーズが幹細胞の培養や細胞操作技術の確立、及び前臨床試験を担当し、京セラが細胞を加工するための機器の開発を担当するそうです。
従来の自家単毛包植毛術は、後頭部などの正常に毛髪が生えている部分を切り取り、そこから取り出した正常な毛包を薄毛になっている部位に移植するという技術です。
しかし、取り出した毛包以上の数の毛包を移植することはできませんでしたし、切り出す範囲も大きいので侵襲性、つまり身体への負担も大きいという問題点がありました。
一方で今回開発を目指している技術では、患者からは少量の頭皮しか切り出しません。
その切り出した少量の毛包を大量に増やしてから患者に移植するというシステムです。
この技術では、毛髪の数を切り出したものよりも増やすことができ、そのため切り出す頭皮の範囲も小さく侵襲性が低いというメリットがあります。
共同研究テーマ技術詳細
理研の辻孝さんの研究グループが2012年に開発した技術について説明します。
その技術とは、マウスの毛包器官からバルジ領域という場所に存在する上皮性幹細胞と間葉性幹細胞である毛乳頭細胞を分離し、「器官原基法」という手法によって毛包原基を再生するものです。
んーなんだか専門用語が多くて難しいですね^^;
毛包原基は、毛包のもととなるものです。
バルジ領域の上皮細胞は酵素によってバラバラに、一方で毛乳頭細胞の方は培養して増殖させておき、それらを合わせることで再生毛包原基をつくります。
そしてそれをマウスの皮膚に移植するという流れですね(・∀・)
ちなみにこの技術、なんと色素性幹細胞を入れるかどうかによっての毛の色の制御や、毛の密度の制御までできています!すごい!
そして再生毛包原基を移植したヌードマウスの写真が上の画像の右下のやつです。
ちゃんと再生毛包原基から毛幹が再生することが確認されました(`・ω・´)ゞ
治療の流れ
この技術が実際に確立された場合に、具体的にどのような治療の流れとなるのかについてですが、以下のような流れになります。
医療機関にて、患者から少量の毛包(100本程度)を採取
受託製造会社がその毛包から幹細胞を分離
分離した幹細胞を培養・増幅し、器官原基法により再生毛包原基を作製
再生毛包原基を医療機関にて患者に移植
分離した幹細胞から再生毛包原基を作製するのにどれくらいの期間がかかるのかが気になるところです。
再生毛包原基の移植法に関しては従来の植毛と同様のものを用いるようです。
最後に
今回紹介した技術は2020年に実用化することを目標としているそうです。
あとたった4年ですね!
実現したら現在の植毛より負担が少なくすみそうですね(*´∀`*)
ただ問題はどのくらいの値段でこの治療をしてもらえるかですね^^;
分離とか培養とかステップ数が増えているのでその面でコストがちょっと高めになっちゃうんじゃないかと不安ですが、、低コストで実現してくれることを期待しておきます(・∀・)!